○久米南町認知症総合支援事業実施要綱

平成30年3月23日

告示第37号

(目的)

第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45第2項第6号の規定に基づき町が実施する認知症総合支援事業(以下「事業」という。)について、必要な事項を定めることにより、認知症になってもできる限り住み慣れた地域で暮らし続けるために、医療と介護の連携強化や認知症の人及びその家族への効果的な支援体制の強化を図ることを目的とする。

(実施主体)

第2条 事業の実施主体は、久米南町とする。ただし、事業を他に委託することにより適切な事業運営が確保できると認められるときは、町長が適当と認める法人その他団体に、事業の全部又は一部を一部を委託することができる。

(事業内容)

第3条 事業の内容は、次の各号に定めるとおりとする。

(1) 認知症地域支援・ケア向上事業 認知症の容態の変化に応じ、全ての期間を通じて、必要な医療、介護及び生活支援を行うサービスが有機的に連携したネットワークを形成し、効果的な支援が行われる体制を構築するとともに、地域の実情に応じた認知症ケアの向上を図るための取り組みを推進する。

(2) 認知症初期集中支援推進事業 認知症の人やその家族に早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築する。

(認知症地域支援推進員)

第4条 町長は、前条に規定する事業内容を円滑かつ効果的に実施するため、認知症地域支援推進員(以下「推進員」という。)を1名以上配置するものとする。

2 推進員は、次の各号に掲げる要件のいずれかを満たす者とする。

(1) 認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有する医師、保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士又は介護福祉士

(2) 前号に掲げる者のほか、認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有する者として町長が認めた者

(推進員の業務)

第5条 推進員は次に掲げる業務を行うものとする。

(1) 認知症の人及びその家族に対する相談支援に関すること。

(2) 認知症の人及びその家族に対する適切な支援の検討及び関係機関の連携調整等の支援に関すること。

(3) 認知症ケアパスの普及に関すること。

(4) 次条に規定する認知症初期集中支援チームに関すること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、認知症の人及びその家族に対する支援に関すること。

(認知症初期集中支援チーム)

第6条 町長は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域で暮らし続けられるよう、認知症の人やその家族に早期に関わる支援チームを設置するものとする。

2 支援チームは、専門職(以下「チーム員」という。)2人以上及び専門医1人をもって組織する。

3 チーム員は、次に掲げる全てを満たす者とする。

(1) 保健師、看護師、准看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者

(2) 認知症ケア又は在宅ケアの実務並びに相談業務等に3年以上携わった経験がある者

4 チーム員は、国が別途定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、必要な知識及び技能を修得するものとする。

5 前項の規定にかかわらず、町長がやむを得ないと認める場合には、国が定める研修を受講したチーム員が当該受講内容を支援チーム内で共有することを条件として、同研修を受講していないチーム員が事業に参加することができるものとする。

6 第2項に規定する専門医とは、次に掲げるいずれかに該当する者とする。

(1) 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医で、かつ、認知症サポート医である医師

(2) 認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師で、かつ、認知症サポート医である医師

(3) (1)又は(2)に掲げる医師の確保が困難な場合は、日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定の医師、又は認知症サポート医であって、認知症疾患の診断及び治療に5年以上の臨床経験を有する医師(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

(認知症初期集中支援の対象者)

第7条 久米南町内に在住し、在宅で生活する満40歳以上の者のうち、認知症が疑われる者又は認知症である者であって、次の各号のいずれかに該当する者とその家族とする。

(1) 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

(2) 継続的な医療サービス又は適切な介護サービスを受けていない者及び中断している者

(3) 医療サービス又は介護サービスを受けているが認知症の行動や心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(支援チームの業務)

第8条 支援チームは、次に掲げる業務を行うものとする。

(1) 支援チームに関する普及啓発 地域住民、関係機関及び関係団体に対し、支援チームの役割や機能について広報活動や連携・協力依頼等を行う

(2) 認知症初期集中支援の実施

 対象者の把握 対象者の把握については、様々な部署との協力を持って行う。

 情報収集及び観察・評価 支援チームは、本人のほか家族等のあらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整を行い、本人の現病歴、既往歴、生活情報等に加え家族の状況等を情報収集するとともに、信頼性及び妥当性の検証がされた観察・評価票を用いて、認知症の包括的観察・評価を行うものとする。

 初回訪問時の支援 支援チームは、初回訪問時に認知症の包括的観察・評価・基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診や介護保険サービスの利用の効果に関する説明及び対象者やその家族に対し心理的サポートや助言等を行うものとする。

 専門医を含めたチーム員会議の開催 支援チームは、初回訪問後、対象者ごとに、観察・評価票の内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医を含めたチーム員会議を行うものとする。この場合において、必要に応じて対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、町関係課職員等の参加も依頼するものとする。

 初期集中支援の実施 支援チームは、医療機関への受診が必要な場合の対象者への動機付けや継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービスの利用等の勧奨、誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア、生活環境等の改善等の支援を行うものとする。

 引き継ぎ後のモニタリング 支援チームは、初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合、担当介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法で円滑に引き継ぎを行うこととする。この場合において、チーム員会議において引き継ぎの2か月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要性を判断の上、随時モニタリングを行うものとする。

(認知症初期集中支援チーム検討委員会)

第9条 町は、前条に規定する支援チームの効率的な推進を図るため、認知症初期集中支援チーム検討委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、支援チームの次に掲げる事項について調査検証する。

(1) 支援チームの設置及び活動状況に関すること。

(2) 医療機関、関係機関等との連携に関すること。

(3) その他支援チームの活動に関し必要な事項

(守秘義務)

第10条 推進員、チーム員、その他の事業に従事する者は、事業で知り得た個人に関する情報、その他の秘密事項を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(その他)

第11条 この要綱に定めるもののほか、事業の実施に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この告示は、平成30年4月1日から施行する。

久米南町認知症総合支援事業実施要綱

平成30年3月23日 告示第37号

(平成30年4月1日施行)